大前研一:アベノミクスのメッキが剥がれてきた。2014/10/17


▼ ついに、アベノミクスのメッキが剥がれてきた
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内閣府が発表した8月の景気動向指数(2010年=100)速報値は、
景気の現状を示す一致指数が108.5と、前月に比べて1.4ポイント下がりました。

景気の基調判断は「足踏み」から4カ月ぶりに下方修正し、景気後退の可能性を示唆する
「下方への局面変化」とし、増税に天候不順が重なり、景気は2月から8月まで短期の
「ミニ後退」になったとの見方が市場関係者に出ています。

これまで散々と、4月から6月期は下がっていても、7月~8月には挽回すると
述べていたエコノミストがいますが、現実はこの通りです。

「足踏み」から「下方への局面変化」などというのも、
単なる役人言葉で全く意味が無いと私は感じます。

天候不順の影響はあると思いますが、それよりも「心理的な」側面のほうが重要です。

国民が身構えて、消費心理が冷え込んだというのが一番大きな要因です。

アベノミクスと騒がれていましたが「結局、自分の生活がどのように具体的に良くなるのか実感できない」
という人がほとんどでしょう。

おそらく今後の数ヶ月で、「アベノミクスは失敗だった」と言われる時期が来るはずです。
東京オリンピックまでは首相を続けると表明していますが、
安倍首相にとっては大きな逆風が吹き荒れることになります。

アベノミクスの最大の問題は、3本目の矢である「成長戦略」が全く機能していないことです。

私に言わせれば、「形容詞」が多すぎて、何ら具体性がありません。

「女性が輝ける」「若者が行きたくなる」などと耳障りのいい言葉を並べても、
ただそれだけで景気は回復しないのです。

ついに、アベノミクスのメッキが剥げかけてきているのを感じます。

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