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農林業の繁忙期に使用していた作業場兼住居「作小屋」を模して、かやぶき屋根にいろりの板間を備えた施設を村が整備。
過疎集落自立のモデルとして注目される施設の核は、50~70代のおばちゃんたちだ。
55世帯90人が暮らし、約6割が65歳以上の同村小川地区。
地区住民でつくる運営協議会= 上米良秀俊 (かんめら・ひでとし) 会長(62)=が営む施設は2012、13年度に、それぞれ約2700万円を売り上げ、全国から視察が絶えない。
郷愁を誘う雰囲気と、地こんにゃくや山菜といった16種類の小鉢料理が詰まった「四季御膳」など山里の味が人気の源。
切り盛りするのは、地元の50~70代の女性スタッフを中心とする14人だ。
協議会事務局長を務める 上米良省吾 (かんめら・しょうご) さん(28)は「おばちゃんたち自身がここの資源」と目を細める。
チーフスタッフの 上米良 (かんめら) みな子さん(58)は「接客も料理も、素人なりに小川を残したいと思って必死にやってきた」と振り返る。
御膳に欠かせない手作り豆腐は、十数年間途絶えていたものを、彼女たちが試行錯誤で復活させたものだ。
月替わり御膳のメニューの食材は村内で採れるものに限っており、月1回の定例会議で調理法などを意見交換する。
チーフスタッフの 中武 (なかたけ) タツさん(77)は「自分たちの作小屋。寝る間も惜しくない」と意欲的だ。
省吾さんは「集落を残し続けるために、おばちゃんたちの思いをつないでくれる若い世代が必要だ。これからが正念場」と課題を見据えている。
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