【2015年9月21日、東京新聞、中里宏】引用編集
野良猫による地域トラブルをどう解決するか。
ボランティアと地域住民、行政が連携して猫が増えないよう管理し、環境改善につなげる「地域猫活動」についての理解を深めようと「地域猫のシンポジウム」が二十日、川越市のウェスタ川越で開かれた。
二十~二十六日は動物愛護週間。
シンポジウムは川越市で活動する「小江戸地域猫の会」(早瀬綾子代表)が主催。
東京・新宿区で地域猫活動を続ける「NPOねこだすけ」の工藤久美子さん、練馬区のNPO法人「ねりまねこ」の亀山知弘、嘉代さん夫妻、元新宿区職員で「新宿区人と猫との調和のとれたまちづくり連絡協議会」顧問の高木優治さんが、行政と地域住民が連携した事例について報告した。
地域猫活動は、ボランティアが野良猫を捕まえて不妊・去勢手術を受けさせてから地域に戻し、地域住民の了解の下でエサ場やトイレの管理・清掃などを行い、地域の環境を改善する活動。
高木さんは、エサやり禁止では一向に効果が上がらなかった野良猫対策のため、東京都が二〇〇一年に「飼い主のいない猫との共生モデルプラン」を始め、現在の自治体・地域住民・ボランティアが協働する地域猫活動の基本スタイルが確立したと説明。
新宿区では〇三年度に三百四十七件あった猫に関する苦情相談が一三年には百八件に減ったと紹介した。
今年、京都市と和歌山県が野良猫へのエサやりを条例で原則禁止にしたことについては「禁止にすると、地域の猫についての情報が行政に入らなくなり、対策が進まなくなる。
野良猫は二、三カ所のエサ場を持っているのが普通で効果は薄い」と述べた。
工藤さんは「地域住民との円滑なコミュニケーションが大事。
活動についてチラシなどで住民にこまめに広報することが最も大切」と強調。
亀山さん夫妻は「町の環境問題として、どうやって対立なく平和に解決していくか。最初の一歩を踏み出してほしい」と呼び掛けた。
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