北岡伸一、領土問題は有識者による対話と国際社会への広報を(NK2012/8/31)


(識者コメント)識者の歴史対話が有効 北岡伸一・政策研究大学院大学教授

2012/8/31付
日本経済新聞 朝刊
320文字
 韓国は日本が1905年に竹島を島根県に編入したことを植民地支配の第一歩と主張するが、竹島が朝鮮(当時)領だったわけではない。江戸時代は日本の漁民の漁場だった。韓国の古文書にあるという記述では領有と言えない。
 日本政府は、こうした事実を韓国国民や国際社会に知らせる努力をすべきだ有識者による歴史対話が一つの方法だ。共通認識は得られないかもしれないが、冷静に議論できればいい。日本の国際司法裁判所への付託提案は当然だ。韓国が拒否しても、理由の説明を迫られる。
 中国は70年代まで、尖閣諸島の領有権主張すらしなかった。日本の「領土問題は存在しない」との姿勢は正しい。国際社会の疑念を受けぬよう、中国などが求めれば学術的な討論には応じるべきだ。
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北岡伸一、政策研究大学院大学