天海は「家康=北極星」により東照宮信仰を確立 <天海コラム#5

天海は「家康=北極星」により東照宮信仰を確立 
日光陽明門上の北極星と囲む無数の星

日光山の貫主(かんじゅ) 天海僧正は、
山王一実神道(さんのう いちじつ しんとう)といういわば「天海教」により、
家康を北極星と一体化するしかけを施しました。
(神事や
「天海教」は、秘儀性が高い深秘(じんぴ)があります。)

天海は、現実の江戸の世は、家康神を中心に動いていると見立てました。

北極星は宇宙の中心です。
無数の星は北極星をめぐります。

日光東照宮は江戸城の北に位置します。
天子の場所は、北にあるものです。(cf. 「天子南面す」)
江戸の街からは日光の男体山(なんたいさん)の真上に北極星が輝きます。

日光には、太陽を喚起する縁起文字が続きます。
    陽明門(東門)     日光    東照大権現   


家康は、東照大権現(とうしょう だいごんげん)という神となり、
そして北極星となり、
南の江戸を永遠に守ることになります。

こうして家康を神とする東照宮信仰が確立しました。
江戸時代260年の泰平の秘密は、
徳川家康を神にしたことにあります。

戊辰戦争(1868- 1869)でも、神 家康の東照宮は焼かれませんでした。




※ 徳川家では、家康だけが神で、
あとの将軍は仏です。
家康が「神君」とよばれるのは、神であり、君主であるからです。