【2016/02/20夕 Nikkei 】吉田俊宏 還暦からゴー 郷ひろみさんに聞く 自分に制限をかけない 継続、忍耐だけが支え 心の熱量に制限は無用。学ぶ心を持ち続けよう 昨年(2015年)10月に還暦を迎えた歌手の郷ひろみさん(60)は、 60代が自身の歌手人生の最盛期、最も輝く時期 になると考えている。 「50代までは長い長い基礎作りの時間。これまでの活動のすべては、これからのためにあったのだと思っています。ようやく土台ができて、60歳にしてスタートラインに立てたという手応えがあるのです」 「60歳で定年という方も多いでしょうが、還暦だからもうこれはできない、あきらめようなど自分で制限をかけない方がいいと思います。 人は何歳になっても心の持ち方でいかようにも自分を変えていける。 僕のモットーは『心にサーモスタットをかけない』です。 かけてしまうと設定温度を超えられませんからね。設定を外すんですよ」 「 学びたいという気持ちを持ち続ければ、道は開ける と思っています。 自分がどういう心の開き方をするかですよ。学びたいという欲求さえあれば、目や耳に入るものの一つ一つが新鮮に映ってくる。 友人との会話でも、読書しているときでも、これは良い言葉だなと敏感に反応できるようになるし、それが蓄積し自分の創造力につながる」 45年前、映画のオーディションに近所の人が1枚の写真を送った。それがデビューのきっかけとなった。 「俳優や歌手になる気はありませんでした。オーディションに向かう途中、気が変わって行きたくないと言ったら、母からいきなり頬を打たれました。九州男児は途中で意志を曲げたりしない、行きなさい、といった調子でスパルタ式ですよ。ミミズ腫れの頬を押さえながら会場に入ったのを覚えています。そのオーディション会場を出るときジャニーズ事務所のジャニー喜多川さんから声をかけられ、人生が一気に変わりました」 人気絶頂の10代の終わりから米ニューヨークを頻繁に訪れ、ボイストレーニングやダンスのレッスン に 励むようになった。 「自分が全く歌えていない、踊れていないという自覚はありました。中身がなければ化けの皮がはがれる。そう考えて渡米したのです。カーネギーホールの隣のス...