住民とのつながりが力。若者育てと、農業を託す
【3-2】(福井新聞社、文と写真・大谷純平)を引用編集
「かみなか農楽舎」取締役の下島栄一さん(右端)らから木の削り方を教わる研修生 |
福井県若狭町で、県外出身の20代女性2人が共同生活を送りながら農業を学んでいる。
2人は町の農業生産法人「かみなか 農楽舎 (のうがくしゃ) 」の研修生。
農楽舎はこれまでに37人の卒業生を輩出し、うち23人が町内に就農・定住した。
人材育成の成功例として注目を集めている。
農楽舎は2001年、若狭町などが出資し設立された。
当時から農家の後継者不足は地域の課題。
農業の仕事に就きたい都会の若者を呼び込み、担い手に育てようとの戦略だ。
町は、農楽舎に研修事業の委託費などを支払い、卒業後の就農や住まいについても支援する。
農楽舎は毎月、研修生に1年目5万円、2年目7万円の奨励金を出している。
自己負担は月1万円前後の食費だけだ。
卒業し、農楽舎社員として働く 八代恵里 (やしろ・えり) さん(32)は「若者が身一つで若狭町に来られるための仕組み」と説明する。
研修生は、地元集落の住民と一緒に寄り合いや総出の作業、祭りなどの行事にも参加する。
埼玉県から来た研修生の 岡村知世 (おかむら・ともよ) さん(24)は「最初は緊張もあったが、人とのつながりの強さが魅力」と話す。卒業後の町内定住に向け、農村の生活に慣れるための貴重な経験の場となっている。
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