2015/05/05

「隼」が縁でローカル駅が"聖地"に。ライダー集う。鳥取県 八頭 (やず) 町

「隼」が縁でローカル駅が"聖地"に。ライダー集う。鳥取県 八頭 (やず) 町

【7-03】(新日本海新聞社、文と写真・浜田匡史)を引用編集


愛車と同名の木造駅舎で記念撮影をするライダーたち
鳥取県 八頭 (やず) 町にある第三セクター、 若桜 (わかさ) 鉄道の 隼 (はやぶさ) 駅へ、週末のたびにライダーがやって来る。
スズキ(本社・浜松市)の大型バイク「隼」と駅名が同じ。
それだけをきっかけに始まった"聖地巡礼"だ。

ローカル線にある古い木造の無人駅に変化が起き始めたのは2008年春ごろ。
インターネットや専門誌で紹介され、隼にまたがったライダーが訪れるようになった。

 ライダーたちをもてなそうと地元住民らは09年、「隼駅を守る会」= 西村昭二 (にしむら・しょうじ) 会長(70)=を結成し、駅舎の清掃やイベントを始めた。
毎年8月の第2日曜日には「隼駅まつり」を開催。昨年は約700台の隼が全国から集まった。

 「地元のもてなしが温かい」「道路に風情があり、交通量も少ない」―。
口コミが評判を呼び、若桜鉄道の沿線はツーリングスポットとしても人気が上昇。
他社製バイクの姿も増えた。
県と町の支援を受けて空き店舗を改装したカフェレストランも駅前にオープンし、交流を深める憩いの場となっている。

 ライダーと地元住民が相思相愛で育んできた"聖地"への熱い気持ちは、メーカーにも伝わった。
スズキは今夏、隼駅へのツーリングを呼び掛けるPRポスターを作製し、西日本の系列販売店などに配布した。

台風の影響で10月に延期された「隼駅まつり」への参加も決まった。

 遊び心から始まった取り組みは全国に伝わり、過疎にあえぐ町を勇気づけた。
西村会長は「ライダーのおかげで町に元気が出た。これからも楽しんでもらえるようにおもてなしをしたい」と話す。

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