現実となる北極海航路

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北極海航路はスエズ経由より10日も短い







視点・論点「現実となる北極海航路」NHK

2014年08月13日 竹田いさみ

【まとめ】

日本の大手船会社が2018年から、北極海で世界初の、定期的なエネルギー輸送に参加することが明らかになりました。

北極海は一年を通じて、厚い氷が海面を覆っているため、民間商船による海上輸送は難しいとされてきましたが、地球温暖化で氷が減り、通航が可能になったという背景があります。

北極海航路とは一般的に、東アジアとヨーロッパを結ぶ航路の中でも、ロシア・シベリア沖を通航するルートを示します。

燃料代や人件費などの運航コストを、3割から4割も削減することが可能になるからです。

冷戦が1990年ころに終わったことで、北極海をめぐる冷たい戦争も幕を閉じ、今度は一気に北極海の利用へと発想が転換しました。

また日本国内では、国土交通省が中心となって「北極海航路に係る官民連携協議会」を、2014年5月に開催しました。複数官庁と民間企業が連携する枠組みで、情報交換の場となっています。

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4年前の2010年には北極海の商業利用件数はわずか4件でしたが、翌11年には34件へ8倍となり、12年には46件、そして2013年には、230件台へと急成長しました。


LNGと呼ばれる天然ガスの需要はうなぎ上りで、原子力発電がストップした日本では、代替エネルギーとして割高なLNGを大量に輸入するようになりました。


課題もあります。
・日本や中国とロシアのLNG基地を結ぶ航路は、氷が解ける6~10月の5か月間を予定しています。
・第2は、ロシアとの協力関係です。ロシアの砕氷船なしに、民間商船が単独で北極海を通航することはできません。

人類が北極海航路を構想したのは、いまから450年前の16世紀です。長い年月を経て、その人類の夢が、ようやく実現する運びとなりました。



新潟などの日本海ルートと首都圏との結びつきが強くなりそうです。
北海道の地政学が変わりそうです。

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