・ファストフィッシュのファスト:fast 速い
骨なしや味付きの魚商品 大手スーパーが販売強化
調理簡単、消費掘り起こし
- 2012/10/20 15:06
大手スーパーは簡単に調理して食べられる水産品「ファストフィッシュ」の販売を強化する。イオンは東日本大震災の被災地の漁業協同組合と組み、骨を除いて味付けした新商品を発売。イトーヨーカ堂も初のプライベートブランド(PB=自主企画)商品を投入。各社は「健康志向を背景に魚の潜在需要は大きい」として、食べやすさを武器に消費を掘り起こす。
イオンは20日、あらかじめ骨や皮を取り除き、味付けもした「骨取りサーモン オレンジオリーブ風味」(2切れ、298円)など宮城県の養殖銀ザケを原料とする3商品を発売した。いずれも水産庁からファストフィッシュの認定を受けており、連携する宮城県漁協が地元で加工し、全国の約500店で販売する。フライパンで焼いたり、電子レンジで温めたりするだけで食べることができ、調味料も不要だ。
8月に第1弾として岩手県産サンマを使った4商品を発売したところ、売れ行きは計画の1.5倍のペース。「若年層からシニアまで幅広い世代がリピーターとなっている」(同社)。11月には福島県産カツオを使った2商品の投入も計画する。被災3県の地元漁協の加工商品だけで年10億円超の販売を目指す。
イトーヨーカ堂は19日から、同社のPB「セブンプレミアム」として初のファストフィッシュ商品7品の販売を始めた。「さばの味噌煮」(178円)、「銀鮭(さけ)の塩焼」(198円)などで、同じグループのコンビニエンスストア、セブンイレブンでも扱う。単身者やシニアなどが購入しやすいよう、少量のパックを充実させた。
水産大手では日本水産が骨を抜き西京漬けにした魚など、調理のしやすさを追求したスーパー向けの水産加工品の品ぞろえを強化している。
厚生労働省によると、2010年の国民1人当たりの魚介類の摂取量は01年と比べ2割減少し、09~10年は肉の摂取量を約1割下回っている。一方で農林水産省が今年1~2月に行った調査では消費者の65%が「水産物の方が肉よりも健康に良い」と回答している。
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