ストレスに負けない!自己トレーニング「心を"今"に向ける」
2014年05月14日 NHK
1 考えと現実は違うと気づく
2 心を“今”に向けるトレーニング
熊野 宏昭 早稲田大学 教授
1 考えと現実は違うと気づく
私たちは常に、過去のことをくよくよ考えたり、未来のことを心配したりしがちです。仕事のミスや、明日の試験のことなどを考え過ぎてしまうと、その妄想にとらわれ、頭で考えた世界と現実を取り違えて後悔や不安が膨らみ、ストレスとなってしまいます。こうしたときには、思考の世界から外に出て、現実と触れ合うことができるようになれば気持ちが楽になります。妄想から抜け出すトレーニングで心を“今”に向け、マインドフルネスと呼ばれる状態(気持ちを今に向け、現実をあるがままに知覚する状態)を目指しましょう。
2 心を“今”に向けるトレーニング
今回は、「妄想せず」を実践するための3種類のトレーニングを紹介しました。1つ目は、浮かんだ後悔や不安のあとに「~と考えた」と付け足す方法です。例えば、“自分は社会人失格だ”などと落ち込んでしまうようなときには、“自分は社会人失格だ、と考えた”と付け足してみると、それは“自分が考えているだけなのだ”と気付くことができます。これが妄想から抜け出すための魔法の一言です。2つ目は、一つのことを考え続けないための方法です。ゆったりと流れる川のほとりに腰を下ろして、川面を流れる葉っぱを眺めている情景をイメージします。何か考えが浮かんできたら、その考えを葉っぱにのせて手を離し、流れていくのを見送りましょう。無理に流そうとするのではなく、のせたらあとは葉っぱに任せるようにすることが大切です。3つ目は余計な考えが浮かんでこないようにするための方法で、「あらゆる音に耳を澄ます」トレーニングです。HPに掲載した音声ファイルには「ピアノの音」「波の音」「電車の音」「時計の音」「虫の鳴く音」が入っています。これを使って実際にやってみましょう。
● あらゆる音に耳を澄ますトレーニング
1 1つ1つの音に1分間ずつ集中する
2 10~15秒間ずつ、1つ1つの音に注意を切り替える(5~6分間行う)
3 すべての音に同時に注意を向ける(2~3分間行う)
※ 「冷蔵庫の音」「自動車の音」「テレビの音」など、身の回りで聞こえる音5~6種類を組み合わせて利用してもよい
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