ベトナム、日本企業の進出に期待(NK2012/9/3)


ベトナムやインド、日本企業の進出に期待

 工業化を急ぐ新興国は中国への対抗という意味合いもあり、高い技術を持つ日本企業に熱い視線を注いでいる。
 ベトナムは日本企業の戦略的な誘致を進めている。同国政府が8月14日に開いた「工業化戦略ハイレベル委員会」では、海外政府として唯一日本をパートナーとして選んだ。出席した枝野経産相は「電子分野、省エネルギー、環境などに分野を絞り、集中的に投資し政策展開を進めていくのが大事だ」と助言した。
 インドも国をあげて日本の製造業の誘致を進める。今年秋には日印両国で「国家製造業政策ワーキンググループ」を開く。トルコとも7月に経済連携協定(EPA)締結に向けた準備を進めることで合意するとともに、日本企業による投資環境を整えるための協議の場をつくることも決めた。
 ただ、製造業の現地進出には課題がある。慣行や文化の違いで、現地従業員の労務管理は難しい。7月にインドで発生したスズキの工場での従業員による暴動は記憶に新しい。使い勝手の悪い通関制度や不透明な規制なども残る。
 日本政府は2国間交渉やEPA締結などを通じ、企業が投資しやすい環境をつくるよう粘り強く要請する必要がある。
関連キーワード
ベトナム、スズキ、エコノフォーカス