徳川家康は260年の平和を構築

仏教では浄土はあの世にあります。
神道では、この世にあります。

神・家康はこの世を浄土にしようとしました。
幼いころ10数年も人質に取られ、戦乱で苦労した家康にとり、
厭離穢土 欣求浄土(えんりおど ごんぐじょうど)
とは、
「戦乱で汚れた世界(穢土)を嫌い、離れ、平和なこの世(浄土)を願いつくる」ことでした。
戦乱のない地上天国の実現が家康の夢でした。
家康は、極楽に行くことを考えていませんでした。

参謀格の天海は、家康の意をくんで、
  徳川家康を「東照大権現(とうしょう だいごんげん)」
という平和の守護神にして、260年にわたり、幕府の永続と恒久平和をもたらさんとしました。

東照大権現 とは?
東方に照る如来が、権(か)りに神となって現れることです。
「権現」とは、仮に仏が神に姿を変えることです。
徳川家康は、北斗七星となり、天を支配しました。

江戸時代は、経済成長一辺倒の無縁社会ではなく、芸術、文化が国民生活に溶け込んだ社会でした。
世界史上めずらしいことです。

少年時代から諸国(現代でいえば、全世界)を巡り歩き、学び、平和な社会の大切さを知り尽くした天海にとって、徳川家康の願いは自分の願いでもありました。