くらしと政治③ 基本的人権と裁判所

くらしと政治③ 基本的人権と裁判所

scene 01 「基本的人権の尊重」

前回から国の政治の仕組みを見てきました。そして、国の在り方を定めた最も重要な決まりである「憲法」には、三つの大きな柱があることを学びました。今回は、その柱の二つ目、「基本的人権の尊重」について見ていきます。基本的人権とは、「自由」や「平等」など、だれもが持っている権利です。そして憲法によって保障されています。
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scene 02 ドキリ★憲法は国民全員に基本的人権を保障

基本的人権は、国民が生まれながらにして持っている権利です。たとえば、住む場所や職業を自由に選ぶことができる権利。自分の意見を自由に述べることができる権利。法のもとで平等にあつかわれる権利、などです。日本国憲法では、基本的人権を国民全員が持ち、だれもうばうことができない権利であることを保障しています。
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scene 03 憲法で保障された権利がおかされたら?

わたしたちは憲法で保障されたいろいろな権利を持っています。しかし、この大切な権利がもしおかされたら大変です。また、権利どうしがぶつかってトラブルになることもあるかもしれません。そんなときたよりになるのが「裁判所」です。次は、裁判所について見てみましょう。
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scene 04 法律に基づいて国民の権利を守る裁判所

わたしたちが生活するなかで、とつぜん交通事故にあったり、お金をめぐるもめごとなどさまざまなトラブルに巻きこまれたりすることがあります。解決しようとしてもうまくいかない場合、どうすればいいのでしょうか。そのために、裁判所があります。裁判所では、法律に基づいて争いごとを解決したり、罪の有る無しを判断したりして、国民の権利を守ります。
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scene 05 刑事裁判と民事裁判

裁判には大きく二つの種類があります。「刑事(けいじ)裁判」と「民事裁判」です。刑事裁判は、人を傷つける、物をうばうなどの犯罪をあつかいます。法廷(ほうてい)では裁判官のほかに被告人(ひこくにん)、弁護人、検察官が出席します。被告人は罪を犯したと疑われうったえられた人。弁護人は被告人の言い分を聞きその立場を守ります。検察官は裁判官に証拠(しょうこ)を示して被告人の処罰(しょばつ)を求めます。一方、民事裁判は、お金の貸し借りや、家や土地をめぐる争いごとなどの解決をめざします。裁判官はどちらの裁判でも、異なる立場の言い分をよく聞き、公正に判断しなければなりません。
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scene 06 「裁判員制度」のスタート

2009年からは、国民が刑事(けいじ)裁判に参加する「裁判員制度」がスタートしました。それまでの裁判は、法律の専門家である裁判官、弁護人、検察官が行っていたため、国民から、「裁判はむずかしい」とか「あの判決はわかりにくい」と言われることがありました。そのため、国民の意見や感覚を裁判に取り入れようと、一般(いっぱん)の人たち6人が加わる裁判員制度が始まったのです。
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scene 07 歴史にドキリ★豆知識

江戸時代には「町奉行(まちぶぎょう)」という役職が置かれ、うったえた人とうったえられた人を奉行が奉行所によびだして裁いていました。今の裁判制度とはかなりちがっていたのです。
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scene 08 判決に納得できないときは

では、裁判所の下した判決に納得がいかなかったときはどうすればいいのでしょうか。裁判のしくみを見ると、判決に納得できないときはさらに上の裁判所にうったえることができるようになっています。裁判をより慎重(しんちょう)に行い、まちがいがないようにするしくみなのです。さらに、裁判所にはほかにも大きな仕事があります。それはなんと、国の政治をチェックするという重要な役割です。
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scene 09 国の政治をチェックする役割

1996年、東京都内に住む人たちが国や東京都などをうったえて裁判を起こしました。うったえを起こしたのは、ぜんそくなどの病気に苦しむ人たちです。病気の原因となった排気(はいき)ガスの対策をおこたった責任が国などにあると主張しました。11年にわたる裁判の結果、裁判所はうったえた人たちの主張を認め、話し合いによる解決をすすめました。裁判所が国の政治をチェックすることで、わたしたちの暮らしや権利を守ることに大きな役割を果たしたのです。
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scene 10 ドキリ★権力の集中を防ぐ三権分立のしくみ

裁判所は、国が行う政治が憲法に違反(いはん)していないかを審査(しんさ)する権限も持っています。国会がつくった法律について、憲法に違反していないかを調べるのも裁判所の役割です。国の政治は、国会、内閣、裁判所の三つが、それぞれ立法、行政、司法の仕事を行っています。三つの機関がおたがいをチェックしあいながら政治を行うことで、一つの機関に権力が集中することを防ぐ。このしくみを「三権分立」といいます。日本の政治は、この三権分立によって成り立っているのです。
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scene 11 憲法の三つの柱…

ここまでは、憲法の三つの柱のうち、国民主権、基本的人権の尊重について見てきました。いよいよ最後は三つめの柱、「平和主義」です…。

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