井沢元彦: 『古今和歌集』は紀貫之たちの鎮魂のため <読書メモ

905年に成立した『古今和歌集』は、最初の勅撰和歌集です。
勅撰和歌集とは、天皇の命により編集された和歌集のことです。
選者は、紀貫之、紀友則などです。

紀の一族は、藤原氏に追い落とされました。

その怨念封じの意味が『古今和歌集』には込められています。

紀貫之は六歌仙を歌の名人として持ち上げました。

僧正遍昭
在原業平
文屋康秀
喜撰法師
小野小町
大友黒主

これらの人々は、紀氏や紀氏と関係が深い惟喬(これたか)親王と深い関係にありました。
惟喬(これたか)親王は、天皇になるはずでしたが、藤原氏に邪魔されてなれずに終わりました。惟喬親王は、藤原氏に怨念をいだいてなくなりました。

藤原氏は、惟喬親王の怨霊鎮魂のために紀氏に『古今和歌集』の編集を託したのだと考えられます。
僧正遍昭(そうじょうへんじょう)や大友黒主(おおとものくろぬし)のような歌仙に値しない人が選ばれているのはそのためです。

古今和歌集

六歌仙

井沢元彦
  1. 天武は天智とその息子を殺害
  2. 聖武天皇の大仏建立は、怨霊封じのため 
  3. 桓武天皇 はなぜ大仏も平城京も捨てた? 
  4. 『源氏物語』は、源氏を鎮魂するためにつくられた

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